10

24

コメント:

ハセツネレポ その8

鞘口峠ではけっこうたくさんの人たちが寝ていて、僕はそこに立ち止まったまましばらく考えていた。
レースを終えるのなら右へ行けばいい。そのまま続けるのなら真っ直ぐだ。

スタッフの人が第二関門の月夜見駐車場まであと4kmだよ!と言っている。

あと4km…。

第二関門の月夜見駐車場まであと4km?

月夜見駐車場?

駐車場?

車?

それってそこまで車が迎えに来てくれるってこと?

それがあと4km?

真っ直ぐ進んだ(笑)

かっこよく真っ直ぐと進んだのに、すぐに始まる上りの途中で力尽きて動けなくなる。やはり休憩は必要だ。

座り込んでいたが、どうせ休むのなら横になろうと思い、ちょっと狭かったけどうまく体を畳んで寝ていたら、その横を通った人たちが、こんなところで寝てるよ、うまく寝るもんだなぁ、と言いながら通り過ぎて行った(笑)

ちなみに今回はあまり草が覆い茂っているところでは寝ないようにしていた。ホントはそういうところのほうが気持ちがいいのだが、以前の試走でマムシに出会ったことがあるから草むらで寝るのは怖い。

だからあまり草の生えていない見通しのよいところで寝ることにしていたが、寝るときは電池節約のためライトを消すので真っ暗になり、見通しがよいとかは関係なかった。
一応、そのためにポイズンリムーバーは購入しておいた。絶対に寝るだろうと思っていたから(笑)

月夜見駐車場までの4kmは距離詐称か?と思うくらいに長かった。月夜見山を過ぎたらすぐに着くイメージだったのだがいつまで経っても着かない。あの時はクマに会って必死で逃げたからなのかな?

いつまでも道は続き、その間にハイドレの水はなくなり、ペットボトルのポカリもなくなり、ヘッドライトの電池がなくなりつつ暗くなった。
しかし、周りの人たちも早く月夜見に到着したいからなのか歩きのスピードがとても速く、また僕も早く到着したいのでゼーハー言いながら必死で着いていったため、喉は渇くし、電池は替えられないしで、とてもつらかった。

とにかく一刻も早く月夜見駐車場に着いて、水を1.5Lもらったら仰向けに寝て、お腹の上にハイドレを抱えたまま、その水を全部チューチューしながら思う存分飲み干して、そんでリタイア宣言してやるぜ!それから車で送ってもらうぜ!と思いながら進んでいた。

月夜見まで行けば42km進んだことになる。それでもう十分じゃないか。

第二CP 月夜見駐車場(42.1km) AM2:47
目標time 1:05 実time 1:27
total time 13:47

到着後、真っ先に水をもらいに行く。
遅く到着した人は水しか残っていないと以前のレースレポで読んだことがあったのだが、今回はスポドリもたくさんあった。
水1Lとポカリ500mにするのか?全部水か?それともポカリか?

あぁ、悩ましい(笑) ここへ来てこんな贅沢な悩みを持つことができるなんて!水が1.5Lももらえるなんて!あぁ、なんて幸せなんだろう。

結局は水だ!と思い、すべてを水にしてもらった。そのまま冷たくて固いアスファルトに敷いてあるブルーシートに座り、おにぎりとゼリーを食べて、ガスター10を飲んだ。ライトの電池も替えた。

さて、リタイアだ。
実はもう歩いているときにはお尻の痛みを感じることはほぼなかった。休んでいるときのほうが痛い。寝て起きるときはもっと痛い。

だから歩けないわけでもないのだが、ただ、この先へ進む気力はなかった。もう疲弊しきっていたし、人工的なライトのおかげで、目がくらむほど明るいこの場所から見えるコースへの入り口は、深遠なる闇の入り口であり、怪物の口の中へ入って行くようにも見えて、その先へ進みたいとは思えなかった。

もう42kmも進んだのだ。よくやったよ、もう止めよう。こんな明るい場所からなぜ、自ら闇の入口へ入らなければいけないのだ?

冷たくて固いブルーシートの上にも、むき出しのアスファルトの上にもたくさんの人たちが寝ていた。僕も少し横になろうかと思ったが、あまりにアスファルトが冷たいので横になれなくて、しばらくボーっと立っていた。そして駐車場の隅にあるテントを眺めていた。

リタイアします!と言えば、ストーブも毛布も温かな飲み物もあるテントの中に入ってゆっくり休める。そしてそこで車の迎えが来るのを待てばいい。

なんて格差だ。かたや冷たいアスファルトで、かたやストーブ付きのテント。水1.5Lもらえたくらいで大喜びした自分が悲しく感じた。
でも、もういいじゃん?リタイアだ。

でも…。でも…。

冷たいアスファルトで寝ている人たちは制限時間ギリギリだろう。間に合わないかもしれない。それでもテントには行かずにアスファルトで寝ているんだ。

自分はあのテントに入れるほどやり切ったのか?テントに入れるほど体調不良なのか?動けなくなるほどのケガをしたのか?

わかったよ、行けばいいんでしょ?行けばさぁ。

最後のあがきでトイレにゆっくりと入って、それから深遠なる闇の中へ自ら入り、そして闇と同化した。

PM3:22 休憩0:35
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ローズリング

「深遠なる闇の中へ自ら入り、そして闇と同化した。」
・・・やば~い、アレキさんカッコイイ~!カッコよすぎ!
それにしても、レポ本当に面白いです。
明日も楽しみ☆

10

24

14:05

みわっち

闇と同化した自分…にクラクラしちゃう
よね。ヘッドライトはずしたくなかったもん。

お腹の上にハイドレ…それをチューチュー
って。。
アレキさん可愛いらしさがぬいぐるみ並~

10

24

17:04

走るクライマー

いいぞ、いいぞ、ガンバ!いよいよ佳境、次が読みたい!!!

10

24

22:01

アレキ


ローズリングさん

本当はヘロヘロでヨレヨレのおっさんなんですけどね。遅いし。
まぁ、たまにはかっこつけたくなったということで(笑)

10

25

06:00

アレキ


みわっちさん

そう。闇の中で、なんでがんばっているんだろう?と思いつつ、それを楽しいと感じる自分もいたりして、自分のことなのによくわからないですよね(笑)
ハイドレはね、なんとなくラッコのイメージで。彼らの姿は思いつく生物の中で一番リラックスした姿に思えたもので(笑)

10

25

06:03

アレキ


走るクライマーさん

ありがとうございます。
結果を知っていらっしゃってもそのように言っていただくと嬉しいです(笑)

10

25

06:04

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