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ハセツネレポ ラスト

制限時間には間に合うけれど、遅いことに変わりはなく、だから山道で会う人々はハセツネ参加者よりも、ハイキングに来ている人の方が多くなっていた。
ただ、彼らはこのレースのことを知っているようだったので、会う人会う人が応援してくれて、それは、まぁ、嬉しかった。

とにかく早く日の出山へ着きたいと思いながらも、こんな絶望に次ぐ絶望のレースは二度と出るものか!とも思っていた。
しかしご一緒していたdenさんは、このレースが楽しくてしかたない、これはもう来年も絶対に出る!と仰っていて、あまりの前向きな発言についていけず、さらに彼女がこのハセツネのために試走を何度かしていて、そのうち3回も一人で試走に来たことを聞いて驚いた。
僕は、自分のハセツネに向けての練習がいかに甘いものだったのか、ということを反省しながら歩いていた。
まぁ、そうやっていろいろお話しながら気持ちよいペースで進めたおかげで、あっさりと日の出山に到着。

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ハセツネという響きにはほど遠いほどの、のどかな風景。とてもレース中のコースとは思えない(笑)

日の出山(60.6km) AM9:45
目標time 0:40 実time 0:41
total time 20:45

denさんとは、ここでお別れ。ここまで一緒に来られて本当に助かりました。ありがとうございました。

当初の予定ではここでしっかり休憩を取り、最後の魂の走りへと繋げるつもりだったが、もう気持ちが昂っていたので、すでにゴールしているであろうみんなにLINEで、日の出山へ到着、と送ってすぐにスタートした。
だから日の出山からの景色を見ながら飲もうと思っていたコーラは結局、持って帰ってきてしまった。

でも、まぁ、いいのさ。オレはここからずっと走って行くのさ。
目標タイムを大幅にオーバーしてしまい、完走だけが何とかできそうな今の僕にできることは、この最後の下りを走り続けることだけだ。

ここからがチャレさんのいう、魂で走る区間だ。ここまで長かった。というかよくここまで来た。よし。さぁ、行くぜ。
僕のイメージでは風を突き抜けて颯爽と走っているイメージだが、実際はポールで体を支えながらヨタヨタしていただけだと思う。
とにかく止まらずにヨタヨタでもヨロヨロでも走り続ける。途中で転んで地面とお尻の間にポールが挟まって、また仙骨が痛んだけど、すぐに立ちあがって走り出す。だって、もうすぐ終わるんだから。

この時間は不思議な時間だった。止まりたくない。走りたい。早くゴールしたい。でも終わるのも嫌だ。いや、早く終わってほしい。もうこんなのうんざりだ。みんなの待っているところに早く行きたい。でも、できれば、このままずっと、こうやっていつまでも走っていたい。

そんなことを思いながら走っていた。日の出山から65km地点までの4.4kmに38分かかった。このペースだとあと1時間くらいでゴールに着くのだろうか?と思いながら走り続ける。たまにハセツネ参加者に出会うが、走っている人は誰もいなかった。まぁ、この時間帯だとタイムにこだわる必要もないし、歩いても完走確実だから当たり前なのだが、僕はここを走るということも目標だったわけで、だから走った。

65km地点からあと5km地点の1.5kmに14分。残りは5km。あと45分くらいか?
自分のこのレースがあと45分で終わってしまうのかと思うと、なんか寂しい気持ちが湧いてくるのだが、それと同時に早く終わりたいとも思っているし、二度と出ないぞとも思っているし、完走できるんだ、とも思っている。

混沌とした様々な感情が渦巻く中で、規則的に呼吸をして、規則的に体を動かし続け、淡々とヨロヨロと走っていた。苦しくてつらくて痛いけど、なんか嬉しかった。
そう。なんかわからないけど走り続けていることが嬉しくて、その中にずっと身を置いていたいと思っていた。

残り2kmを過ぎたときには、またLINEでみんなに知らせようと思ったのだが、とにかく止まりたくない。体の動きを止めたくない。だから走りながらサッと携帯を取り出してみたが圏外だったのですぐにしまった。
今から思うと、これが失敗だったのだが、でも今から思ってもとにかく立ち止まりたくなかった。体も心臓も肺もずっと規則的に動かしていたかった。

下りの舗装路に着いた時にはあまりの着地衝撃に焦ったが、そのまま走り続ける。もうすぐだ。もうすぐゴールだぞ。
やっと街だ。ここ、街だ。帰ってきたよ。オレ、自分で帰って来たよ。

そして、ゴール。

GOAL(71.5km) AM11:22
目標time 1:50 実time 1:37
total time 22:22

え~と、心残りというか自業自得なのだが、きちんと連絡しなかったので一人でゴールをしてしまい、ずっと待っていてくれた皆さんに見てもらうことができなかった。応援に来てくれた人達もいたのに、本当に申し訳ないことをした。

131014IMG_2133.jpg

131014IMG_2134.jpg

131014IMG_2136.jpg

ハセツネ。
今から考えても不思議なレースだ。
今まで、僕はそんなにたくさんのレースに出たわけではないけど、大抵のレースはゴールをした後に感じる達成感だったり解放感だったりが楽しいのだが、もちろんハセツネだってものすごい達成感とか解放感はあったのだが、それにも増して、レース中に感じる、山の中にいるというか、山の中にいられる感覚に喜びを感じたような気がする。

いや、レース中はたしかにネガティブな感情だらけなんだけど、それでもその感情の奥底には、一縷の希望のようなものがあり、レース中にはそれが希望という名前なのかすらわからないくらい小さなものなんだけど、今、こうやって考えてみると絶望の中に希望があって、その小さな希望を感じながら山の中を進んでいけることに喜びを感じていたんだと思う。
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やっと、レポ終わりました。
長々と時間をかけてしまいすいませんでした。
そして、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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ハセツネレポ その11

<前回の続き>

大ダワに辿り着き、初めて前向きな気持ちで完走を目指し始めたアレキ。
そのアレキの目の前にサクサク進む女性が現れ、その先を一緒に目指すことに…。

その彼女とは、日の出山までご一緒させてもらい、いろいろとお話をさせてもらったのだが、名前を聞くのを忘れてしまった。
いや、とくにそのときは名前など必要なかったのかもしれない。

でも、後日、コメントを頂いたのでよかった。彼女はdenさんと仰って、ブログも書かれています。

で、まずは最後のラスボス的な大岳山を目指すわけで、この大岳山というのは岩場だらけの山で、道を大きな岩に塞がれていてそこをよじ登ったりなんかする。
でもね、怖くない。だって普通だったらここを夜に通るんだろうけど、もうすごく明るいから(笑)
それに北アルプスでもっと怖い岩場を経験したから。

そういえばdenさんといろいろお話しながら進んでいたのだが、その中で、ブログに毎日体重を載せていたのに、なんで載せなくなっちゃったのですか?と質問された。
誰も気にしていないと思ったら、気にしている方がいらっしゃるのですね。

そのときは曖昧な返事をしたのだが、実は北アルプスに行ったときに、ほとんど寝ないであんな怖いルートを必死に9時間もかけて進んだのに、家に帰って体重を計ったらなぜか2Kgも増えていて、頭に来て体重を載せるのをやめた、という話は内緒だ。

明るくなって元気になり、さらに同行者が現れ、いろいろ話しながら進んでいると、そりゃ、もうサクサクというかいい感じで進める。ハセツネ、孤独なはずなのに。

これが、ネコさん岩なんですよ、とか案内したりして。それにしても非常灯みたいなのまで付いていた(笑)
131014IMG_8494.jpg

大岳山(53.7km) AM8:04
目標time 1:30 実time 1:16
total time 19:04

ここ本日2回目の目標timeより速い区間だった。
まぁ、それでも走っているわけではないので休まずに先へ進む。

これでラスボス的山はすべて終わった。
そのまま下りだが、この下りも慎重に降りつつも、わりと淡々と進む。
ここを下りてしまえばあとは平坦、もしくは下り基調の道がほとんどなはずだ。

そんななだらかな道を歩いていると、向こうから、軽やかにコースを逆走してくる人がいる。こんな時間になんて軽やかな走りなんだ?誰なんだろう?と思いながら見ていると、なぜかTEAM75Tを着ている。
はて?誰だ?と思うと、それは、ちゃららさんだった。

夜通し応援されていたとは思えないほどの元気さで、僕に会うなり、完走いけるんじゃないですか!と言ってくれて、そうやって他の人に言われると、本当にいけるんだなぁ、と実感することができて、そうか、完走できるんだぞ、と感慨に耽っていたら、ちゃららさんに彼女を紹介された。彼女も一緒に応援ランをされているらしい。

え~と、夜通し山の中をもう50km以上進んでいる、このあまりに非日常的なサバイバルレースであるハセツネのコース上で、彼女を紹介される、という現実的でリアルな出来事は、僕の頭をおかしくさせてしまいそうだった(笑)

でもその彼女を紹介されるという出来事が日常の世界に戻って来たぞ、と思えたことと、完走できますよ、と言われたことが嬉しくて、先へ急ごうと進み始めたちゃららさんを呼び止めて、固くお礼の握手をして、それで別れた。

ちゃららさん、そしてちゃららさんの彼女さん、ありがとうございました。

御岳山手前のコース上にある水場にようやくたどり着く。この水場をとても楽しみにしていた。
人間、謙虚に生きれば水場で幸せな気持ちなれるのだ。
顔を洗い、頭に水をかけ、ゴクゴクと飲み干し、ハイドレにはまだ月夜見でもらった水がたくさんあるのに思わずペットボトルに水を汲んだ。

ここでは何人かの人たちが休んでいて、みな一様に水に救われていた。
なんだかんだ言っても水だ。水がすべてと言ってもいいくらいだ。

ここでも、完走できるのか?という話題が出ていたが、もう全部歩いても間に合うだろう、という結論に達していた。

第3CP 御岳山(53.7km) AM9:04
目標time 1:10 実time 1:00
total time 20:04

ここも休まずスルー。denさんも相変わらずいいペースで歩き続ける。
僕はとにかく走るのは日の出山からだ。それまでは走るな、歩くんだ、と自分に言い聞かせていた。
なんか身体が、もう走り出したくてうずうずしているのを押さえつけていた。

日の出山からの11kmは一度も立ち止まらずに走りたいと思っていたので、そこまでは走らない。
でも早く日の出山に着いて、そして早く走り出したい。

そう思いながら歩いていた。
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ハセツネレポ その10

大ダワに着いたときにはもうすっかり朝だった。
スタートから17時間以上も経っているためかランナーの姿もあまりいなかった。10人もいなかったような気がする。
とりあえずリタイヤする人が入るテントの前のアスファルトに座った。

スタッフの人が、ここから第三関門まで、がんばれば充分間に合うよ~と言っていた。
まぁ、この がんばれば という言葉がやっかいだ。僕も含めて、この時間帯の人々はがんばっても動くのがやっととかそんな感じなので普通の状態よりかなり遅くなる。そんな状態のがんばりで時間に間に合うのかどうかいまいちよくわからない。

ただ、なんだろう?僕はここまでやって来て、50km地点までやって来て初めて、オレ完走できる、いや、完走する、と思うことができた。完走を意識できたのはこの時点が初めてだった。
それほど明るくなったことが僕に勇気を与えてくれたのだろうと思う。

とにかくここを最後の補給地点にしよう。このまま早歩きで休憩はせずに日の出山まで進み、そこから11kmは走ろう。たぶん休まず早歩きで歩けば関門には間に合うはず。今から焦って走っても日の出山から走ることができなくなってしまう。
このレース、タイム的には自分の思い描いていたようにはまったくならなかった。それどころか完走も危うかった。それでも何とか完走できそうなところまでやってきた。だからせめて最後の日の出山からはきっちり走ろう。日の出山からは魂の走りだ。

そんなことを考えながら、おにぎりと唐揚げと魚肉ソーセージを急いで食べた。それで念のためロキソニンを飲んだ。ペットボトルのお茶と水もなくなり、あとは月夜見でもらった水がハイドレにあるのみだった。
でもこの先の途中に水場があるのを知っていた。そこに着いたらお腹がタポタポになるくらい水を飲んでやろうと思っていた。
それにしてもここまできても固形物を食べられたのはよかった。いつもだったらもう受け付けなくなっているはず。早めのガスター10が効果あったのだろうか。

目の前にいたランナーがテントを指さして、暖かそうでうらやましいと言ったので、でもここまで来たら完走したいですよねぇ、と言うと、完走したいなぁ、と言うので、がんばればできますよ、と言って、今までにないほどポジティブな気分で立ち上がり、先へ進んだ。

AM6:48
休憩 0:15

ここから先はとにかく淡々と進んだ。一定のペースで息が弾むくらいの早歩きで進む。あまりランナーの姿も見かけないけど、それでもたまに会うランナーとはペースが違った。走っている人には抜かれ、歩いている人は抜いた。
疲れもあまり感じずにリズムよく気持ちよく歩くことができた。夜通し動き続けていたとは思えずに、気持ちよい朝の山にやって来てハイキングをしているかのように思えた。

しばらく進むと30m先くらいを歩いている女性を見かけた。歩いている人のことはサクサク抜いていたので、なんとなくその女性を目標にしていたけど、まったく差が縮まらない。
あれ?と思いつつも僕は絶対に走らないし、一定のペースで進もうと思っていたので、そのまま気にせずにいたのだが、ほぼ同じペースで歩いていた。

その後もほぼ同じペースで歩き続けていたので、きっと彼女も僕と同じようにできるだけ早歩きで休憩を挟まずに一定のペースで先へ進み、ゴールを目指しているのだろうと思った。
そんな感じでしばらく進むと、徐々に彼女との差が縮まってきて、それでついには彼女が立ち止まって僕に道を譲ってくれた。
でも、何となく、この人は僕と同じ作戦でゴールを目指しているんじゃないか?と勝手に思っていたので、つい、いいペースで進まれてますね、もったいないからこのままのペースで行きましょう、と話しかけてから抜いた。

すると彼女が呼び止めるので、後ろを振り向くと

あの、急に失礼なんですが、ブログとか書かれてませんか?

と言われて、驚いた(笑)

びっくりしながらも、書いてますと答えて、ちょっとお話をしながら一緒に歩いていたが、考えてみたらほぼ同じペースで進んでおり、目指すべき場所も一緒なので、最後のボスキャラ的な大岳山(標高1266m)へ、このまま一緒に行きましょう!ということになった。
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ハセツネレポ その9

闇の入口へ入ると、そこは広い原っぱのような下りで、すり鉢状に見える斜面を下りて行く。闇だから見通しがいいわけでもないけど、なんというか斜面全体が地の底へと向かっているかのようで、アリジゴクの巣とでもいえばいいのか、何とも薄気味悪く、やっぱり先へ進むんじゃなかった、と早くも後悔した。
粘土質の土だからか、深夜で土が湿っているからか、時折り滑りそうになるのをポールで支えながら下る。

これから第2のボスキャラ的な御前山(標高1405m)へ向かう。しばらく下り続けるとそこは地の底ではなくて、上りの始まりだった。アップダウンを繰り返しながら高度を上げていくのだが、いつの間にか周りには誰もいなくて、この区間はほぼ一人旅だった。

深夜3時過ぎに一人で山奥を歩いているという事実に気付くと恐ろしくなり、どんぐりが落ちる音でも、どこかで鳴いている得体のしれない動物の声にもいちいちビクビクしていた。
だから道端で寝転がっている人を見つけると、そこでちょっと休んだりもした(笑)

それでも圧倒的に人がいなくて、すぐに一人になる。怖えぇ。深夜3時の一人は怖えぇ。誰もいないとライトも僕一人の明りなので山がさらに暗く感じる。
単調で暗い道を歩いていると、疲れと寒さと眠気がピークに達してきて、そのうち真っ直ぐ歩けずにフラフラするようにもなった。

そんなときに子熊くらいの大きさの黒い影が僕に向かってすごい勢いで走って来た。

うえぇぇぇ!と思って身体を強張らせるが、何もいない。なんだ?今のはなんだ?え?なに?

ただの気のせいだったようだ。

びっくりしたなぁ、と思いながら歩き続けてしばらくすると、今度はイタチくらいの大きさの黒い影がすごいスピードで僕に突進してくる。

へ?なになに?だからなにって!

気のせいだった(笑)

どうやら完全に疲れているようだ、と思った僕は、得意の寝床探しを始めるとちょうどよくベンチがあったので、すかさずそこで寝た。

寒くて目覚めた。10分くらいだったと思うが、それでも幾分すっきりしていた。
その後もしばらく一人旅で、この時間帯の闇は本格的な闇で、たぶん一日のうちで一番深い闇の時間なんではないだろうか?と思いながら進んだ。

そんな深い闇の中にスタッフの方が一人でポツンと立っていて、ここからは足場が危険なので気をつけてくださいね、と言ってくれた。
この深い闇の中に一人でずっと立っていなくてはならないことを考えると、たとえ上りでも先へ進めるって素晴らしいことだと思えて少しだけ元気が出た。

御前山の上りが始まるとちらほら人を見かけるようになったのでホッとしたが、この上りがとても長い。何度も何度も頂上か?と思いながら騙されて、このあたりで道を譲ってくれた人たち全員に、まだですかねぇ?と話しかけていた。

そのうちにうっすらと山の稜線が見えてきたので、あれ?もう夜明けなのか?と思う。

当初の予定では日の出山で日の出を迎える予定だった。それが今は御前山…。
このあと大岳山、御岳山、日の出山へと進むから、まだ3つも手前じゃないか!

これ、本格的に制限時間まずい。間に合わないかもな。
次の大ダワは道路があるからリタイアするならそこが最終地点だ。それ以降だとリタイアしても帰るのがとても面倒になるし、下手したらゴールまで行くのが一番早く帰れることになるかもしれない。

大ダワだ。すべては大ダワで決まる、と思いながら先へ進んだ。

御前山(46.6km) AM5:33
目標time 1:25 実time 2:11
total time 16:33

御前山山頂に着いたときにはもう明るくなりつつあった。僕はたぶん制限時間ギリギリだと思ったので休まずにそのまま先へ進んだ。大ダワへ着いた時間でその先どうするか決めよう。

御前山から大ダワまでは下りだが、けっこう急で僕にとっては走れるような下りではなく、それが長く続くイメージがあった。
昨年ここを試走したときには下りの衝撃で足首が痛くなった覚えがある。そのことがあったので今回は靴を変えてみた。
今のところ右足の親指の付け根にマメができているようだが足首とかの関節や骨の痛みはないので、靴を変えてよかったのかもしれない。
とにかくポールを使いながらリズムよくゆっくり進もうと思っていた。

これね、日の出の力は偉大だよ。
この区間は淡々と着々と先へ進むことができた。

でもこの区間のことはほとんど何も覚えていない。
どんな景色だったのか?人には会ったのか?誰かと話をしたのか?まったく覚えていない。
大ダワにいるスタッフの人の声が聞こえてきて、あぁ、着いたぁ、と思ったことしか覚えていない。早朝の山はやっぱり気持ちいいなぁ、と思いながら進んでいたことしか覚えていない。

いずれにせよ、この夜明けの、御前山から大ダワまではとても気持ちよく進めた区間だった。
夜明けの力はすごいよ。

大ダワ(49.7km) AM6:33
目標time 1:00 実time 1:00
total time 17:33
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ハセツネレポ その8

鞘口峠ではけっこうたくさんの人たちが寝ていて、僕はそこに立ち止まったまましばらく考えていた。
レースを終えるのなら右へ行けばいい。そのまま続けるのなら真っ直ぐだ。

スタッフの人が第二関門の月夜見駐車場まであと4kmだよ!と言っている。

あと4km…。

第二関門の月夜見駐車場まであと4km?

月夜見駐車場?

駐車場?

車?

それってそこまで車が迎えに来てくれるってこと?

それがあと4km?

真っ直ぐ進んだ(笑)

かっこよく真っ直ぐと進んだのに、すぐに始まる上りの途中で力尽きて動けなくなる。やはり休憩は必要だ。

座り込んでいたが、どうせ休むのなら横になろうと思い、ちょっと狭かったけどうまく体を畳んで寝ていたら、その横を通った人たちが、こんなところで寝てるよ、うまく寝るもんだなぁ、と言いながら通り過ぎて行った(笑)

ちなみに今回はあまり草が覆い茂っているところでは寝ないようにしていた。ホントはそういうところのほうが気持ちがいいのだが、以前の試走でマムシに出会ったことがあるから草むらで寝るのは怖い。

だからあまり草の生えていない見通しのよいところで寝ることにしていたが、寝るときは電池節約のためライトを消すので真っ暗になり、見通しがよいとかは関係なかった。
一応、そのためにポイズンリムーバーは購入しておいた。絶対に寝るだろうと思っていたから(笑)

月夜見駐車場までの4kmは距離詐称か?と思うくらいに長かった。月夜見山を過ぎたらすぐに着くイメージだったのだがいつまで経っても着かない。あの時はクマに会って必死で逃げたからなのかな?

いつまでも道は続き、その間にハイドレの水はなくなり、ペットボトルのポカリもなくなり、ヘッドライトの電池がなくなりつつ暗くなった。
しかし、周りの人たちも早く月夜見に到着したいからなのか歩きのスピードがとても速く、また僕も早く到着したいのでゼーハー言いながら必死で着いていったため、喉は渇くし、電池は替えられないしで、とてもつらかった。

とにかく一刻も早く月夜見駐車場に着いて、水を1.5Lもらったら仰向けに寝て、お腹の上にハイドレを抱えたまま、その水を全部チューチューしながら思う存分飲み干して、そんでリタイア宣言してやるぜ!それから車で送ってもらうぜ!と思いながら進んでいた。

月夜見まで行けば42km進んだことになる。それでもう十分じゃないか。

第二CP 月夜見駐車場(42.1km) AM2:47
目標time 1:05 実time 1:27
total time 13:47

到着後、真っ先に水をもらいに行く。
遅く到着した人は水しか残っていないと以前のレースレポで読んだことがあったのだが、今回はスポドリもたくさんあった。
水1Lとポカリ500mにするのか?全部水か?それともポカリか?

あぁ、悩ましい(笑) ここへ来てこんな贅沢な悩みを持つことができるなんて!水が1.5Lももらえるなんて!あぁ、なんて幸せなんだろう。

結局は水だ!と思い、すべてを水にしてもらった。そのまま冷たくて固いアスファルトに敷いてあるブルーシートに座り、おにぎりとゼリーを食べて、ガスター10を飲んだ。ライトの電池も替えた。

さて、リタイアだ。
実はもう歩いているときにはお尻の痛みを感じることはほぼなかった。休んでいるときのほうが痛い。寝て起きるときはもっと痛い。

だから歩けないわけでもないのだが、ただ、この先へ進む気力はなかった。もう疲弊しきっていたし、人工的なライトのおかげで、目がくらむほど明るいこの場所から見えるコースへの入り口は、深遠なる闇の入り口であり、怪物の口の中へ入って行くようにも見えて、その先へ進みたいとは思えなかった。

もう42kmも進んだのだ。よくやったよ、もう止めよう。こんな明るい場所からなぜ、自ら闇の入口へ入らなければいけないのだ?

冷たくて固いブルーシートの上にも、むき出しのアスファルトの上にもたくさんの人たちが寝ていた。僕も少し横になろうかと思ったが、あまりにアスファルトが冷たいので横になれなくて、しばらくボーっと立っていた。そして駐車場の隅にあるテントを眺めていた。

リタイアします!と言えば、ストーブも毛布も温かな飲み物もあるテントの中に入ってゆっくり休める。そしてそこで車の迎えが来るのを待てばいい。

なんて格差だ。かたや冷たいアスファルトで、かたやストーブ付きのテント。水1.5Lもらえたくらいで大喜びした自分が悲しく感じた。
でも、もういいじゃん?リタイアだ。

でも…。でも…。

冷たいアスファルトで寝ている人たちは制限時間ギリギリだろう。間に合わないかもしれない。それでもテントには行かずにアスファルトで寝ているんだ。

自分はあのテントに入れるほどやり切ったのか?テントに入れるほど体調不良なのか?動けなくなるほどのケガをしたのか?

わかったよ、行けばいいんでしょ?行けばさぁ。

最後のあがきでトイレにゆっくりと入って、それから深遠なる闇の中へ自ら入り、そして闇と同化した。

PM3:22 休憩0:35
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